平成二十八年 十一月二十八日 声明:新妻眞一さんとの和解成立について

まずはじめに、皆さまに報告が遅れましたことを深くお詫びいたします。
和解成立を公開するにあたって、報道機関および「穂波の会」と日程を調整しましたが、結果的に日程調整がうまくいかず本日公表をするにいたりました。ご支援いただいた皆さまに、心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

さて、この度、新妻眞一さんと和解が成立しました。各報道でも出ているように平成26年8月15日に、私はヘイトスピーチを浴びせられながら集団暴行傷害をされた「ヘイトクライム」の被害者でありました。しかしながら私は、日本社会でマイノリティである在日コリアンではありません。この差別意識に基づく飯田橋集団暴行傷害事件、ヘイトクライムの本質的な被害者は、私ではなく在日コリアンであったと思います。
そして、罪に問われていなくても、今まで新妻さんは多くの在日コリアンをはじめとする人々を傷つけてきました。そのことは私一個人が許せる問題ではないと考えております。だからこそ私は事件が起きた際に、悔しくても我慢をして殴り返さないでいました。暴力をひたすら受け続けました。逃げずに苦痛に耐え切りました。
私が今回の裁判で望んでいたのは、ヘイトクライムを指揮した責任の所在が元・在特会会長で現・日本第一党党首の桜井誠だという事実をはっきりさせることと、被告たちにヘイトスピーチ・ヘイトクライムは間違いだったと気付いて反省してもらい、差別排外主義から抜け出してもらうことです。
決して新妻さんを苦しめたり、金銭を得ることが目的ではありません。新妻さんは裁判において、二度と同じ過ちは繰り返さないことを約束してくださいました。新妻さんが過去に誰かを差別してきたことを後悔し、これから違う生き方をしたいと願うならば、私はそのサポートをし見守っていきたいと考えました。新妻さんが、誰かを差別せずとも幸せに生きられるように応援したいと思います。
しかし、マイノリティというだけで新妻さんから差別を受け、存在を否定され、尊厳を侵された方々の中には、新妻さんのことを許さない方もいるはずです。それは当然です。新妻さんは一生消えない十字架を背負って生きるのでしょう。私は二度と戻らないと信じていますが、再び差別排外主義の魔力に取り憑かれそうになった際は、ヘイトスピーチを浴びせられて涙を流していたマイノリティの存在を思い出して欲しいです。その涙の重さを理解しているならば、きっと踏みとどまるはずです。
私も偉そうなことは言える人間ではありません。行ったことは違えど、新妻さんと同じく沢山の人々を深く傷つけてきました。深く傷つけてしまった人には、きっと未だに許されてはいないと思います。
私もまた新妻さんと一緒に立ち直り、償いをしながら生きていきたいと思います。

憂国我道会会長 山口祐二郞